"文学少女"と神に臨む作家 (下)

“文学少女”の追想画廊

“文学少女”の追想画廊

最終巻。
テーマは引き続き「狭き門」
2巻の「嵐が丘」のように人物関係がややこしくなるので、
私の足りない頭では把握するのが大変でした……。
一言で表せば綺麗にまとめたなぁって印象。
最後は1人ずつ簡単にまとめ。


【琴吹ななせ】
最後に救って欲しかったけど、逆にドン底へ(´;ω;`)
まさかあのななせが心葉を平手打ちするとは……。
でもいつの間にか美羽とはすっかり打ち解けてる感じですね。
もう心葉とか放って置いて美羽×ななせでいいんじゃないですか?w
卒業式、ホワイトデーのシーンも切なかったなぁ。
最後に復活したオペラ歌手って臣君ですよね。
あの臣君ならきっとななせを幸せにしてあげられるはず!


【朝倉美羽】
最後もちょっとだけど出番があって嬉しかったです。
彼女だけは心葉を呼ぶ表記が最後まで"コノハ"なんですよね。
やっぱりこの2人には他人の入る余地のない絆があるんでしょう。
それこそ2人は"白い結婚"と言っていいんじゃないでしょうか。
でも何気に芥川といい感じになってますねー。
最初はあり得ないと思ったけど、割といいコンビかも。
プリンのスプーンのやり取りが面白かったw


天野遠子
結局、本を食べる"文学少女"って何なんでしょうね。
あ、そこは突っ込んじゃいけないでしょうか?w
正直なところ最後まで何を考えてるのかよく分からなかったです。
卒業式、振り返ることなく去ってしまったところとか。
乙女心は複雑ですね^^;


【櫻井流人】
確かに色々と恵まれない境遇だったのかもしれない。
それでもななせを傷つけたことは絶対許されないです。
ていうか私が許しません><
もちろんいい部分もあったけど、やっぱり負のイメージが強すぎます。


【竹田千愛】
1巻では自分の存在を恥ずかしいと思って自殺を試みた彼女が、
ななせを心から心配し、心葉に道を示し、流人を愛して……。
どれも仮面なんて存在しない、竹田さんの心ですよね。
この作品で1番変われたのは彼女だと思います。


【芥川一詩】
彼も色々と不憫な……というか女難キャラでしたね。
真面目な硬派キャラだけど頼りになる、友達としては最高でしょう。
美羽への想いは成就するのか……。
まぁ仮に恋人同士になっても絶対尻に敷かれるでしょうけどw


【姫倉麻貴】
結婚相手って流人じゃなかったのかー。
子供の名前が悠人と蛍。
ほんと蛍のことが好きだったんだなぁ……。


【井上心葉】
最後だけは主人公らしく頑張りましたね。


ぼくはこれから、道化のように、哀しみを隠して笑おう。
ときに幽霊のように渇望し、ときに愚者として決断し、墜ちた天使のように穢れにまみれても、月と花を胸に抱いて、聖地へ向かう巡礼者のように歩き続けよう。
そうして、神に臨む作家になろう。
この部分が大好きです、すごく胸に響きました。
今までの物語全てが1つに繋がって道が開けた瞬間、ですね。


追想画廊のSSは遠子先輩が北から帰ってくる時の補完。
どうして2人はそうまでして会おうとしないのか、難しいですね……。
私なら真っ先に迎えに行くでしょうけど。
最後の心葉が先輩を落とす計画(笑)はなかなか……w
ぜひ先輩の反応を見てみたいですねー。


「井上心葉は、あなただけの作家です」


……と、そんなわけで"文学少女"シリーズ読了です。
でも外伝って今日発売でしたっけ?
あとファミ通のアンソロもまだ未読。
プロジェクト・メモワールってのも気になる><
まだもうちょっと"文学少女"を楽しめそうです。
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