二四〇九階の彼女

二四〇九階の彼女 (電撃文庫)

二四〇九階の彼女 (電撃文庫)



無数の階層が連なる【塔】のかたちをした世界。
各階層は神の代行機械であるアントロポシュカによって管理されていた。
しかし管理する階層に住む人間が【幸せ】に暮らせる世界を作る、という命題を与えられ階層世界を運営してきたアントロポシュカたちは、永い時間を経て、その多くに狂いを生じていて……。
【幸せ】に狂った世界の中を、少年:サドリは相棒のカエルとともに海を目指して塔を降りてゆく。
かつて交わした「彼女」とのただひとつの約束を果たすために。


優しくて残酷な、神様と世界のお話。


これまたかなり昔に買ったラノベ、ようやく消化。
んー……これは私の貧弱なボキャブラリーで表現するのは非常に困難な作品した^^;
「優しくて残酷」という矛盾したようなテーマですが、読めば分かります。
サドリは間違った選択はしてないと思います。
カエルという強力な味方もついています。
それでもどこか歯車が噛み合わない、本当に悲しい世界のお話です……。


ちなみに1つの階層で1話完結の形式。
塔の構成上、前の階層の出来事が後に絡むことはほぼないですね。
・九一四階の積層図書館
・九四三階の戦争
・九○○階のカエルの国
・一○五六階の幻想
・二四○九階の彼女
私のお気に入りは「九四三階の戦争」「一○五六階の幻想」
お気に入りと言ってもハッピーエンドとは程遠く、むしろ鬱になる話なんですが。
【幸せ】について考えさせられる深い話だと思います。